金子国義+向井理依子展へ
時空を超えた巨匠画家とフランス額装のコラボ。
10月9日(日)〜16日(日)までアートギャラリーColléにて開催された個展、
金子国義+向井理依子展に行ってきました。
金子国義氏とは、日本画家であり、不思議の国のアリスの挿絵等で有名な人。
2015年3月17日未明に死去された。
金子氏の作品は、美をとことん追求し、「耽美的」であり「官能的」な世界。
私自身、大学時代にデカダンスな雰囲気の芸術にはまった記憶が懐かしい。
金子氏の作品を額装したのは、額装家の向井理依子さん。
「フランス額装...ENCADREMENT(アンカードルモン)」という言葉をご存知ですか?
絵やポストカード、版画、オブジェなどをより引き立たせるために、作品の周りのマットや額とコーディネートすることなのだとか。
フランスでは、伝統的に多くの人に親しまれていて、額装そのものが、アートとして認められています。
額装家の国家資格さえあるほどです。
普通では理解し難い世界観に『フランス額装』というまた違った世界観から真っ向向き合った理依子さんの作品たちは、どれも凄かった。
1Fは、アリスの挿絵やATSUKI ONISHIのポスターなど展示されお洒落な雰囲気。
実は地下にこそ、この個展の最大の魅力が詰まっていました。
一気に空気が変わる。
金子氏+理依子さんワールドにどっぷり浸かることとなります。
撮影OKだったので、百聞は一見に如かず、まずは一部作品たちをご覧いただきましょう。
(スマホだったので、光が映り込んだのが残念)
入り口から順に作品を観て行くと、最初は可愛らしいものだったのに、どんどんとアンダーグランドな表情に変わって行く。
理依子さんに一つ一つの作品について説明をもらった。
金子氏の芸術に真っ向向き合ったからこそ完成された額装たち。
その一つ一つが手作業で、二度と同じものは作れないオリジナルばかり。
なんて貴重なんだろう。
素晴らしいく美しい。
やはり、どの作品も既に買い手が付いていた。
ポスターや書籍が販売されていた。
世界に27部(?)しか発売されていない冊子。
可愛い挿絵とは裏腹に、どのストーリーもシュールなものばかり。
もうちょっと手の届きやすいお値段だったらぜひ欲しい一冊。
開催場所が地下という時間が分からない場所のせいか、気付けば3時間は軽く過ぎてた。
一通り作品を堪能した後、理依子さんと個展に訪れた人たちと「どうして日本人はパリに魅かれるのか?」「センスは経験の蓄積」など、プチ芸術討論会。
芸術の秋を堪能。
いただいたお菓子は、『パン・デビス』というフランス菓子。
見た目とは違い、香辛料が効いたちょっと変わったお菓子。
人によって好き嫌いはあると思いますが、美味しかった〜。
日本では中々口にすることができない貴重なフランス菓子だとか。
今回の個展の印象は、妥協の無い「美」への追究。
仕事や何げない日常の過ごし方など、良い刺激をもらいました。
購入したアリスのポスター2枚。
さて、家のどこに飾ろうか。
考え迷うのも、また楽しみの一つです。